絵画のオリンピック
絵画とオリンピックには深い関わりがあることを、ご存じでしょうか?
オリンピック(近代オリンピック)では、かつてスポーツをテーマにした絵画を採点して、その順位を競うという競技がありました。
こうした競技は、絵画だけでなく、他にも彫刻、文学、建築、音楽のそれぞれの分野で行われ、すべてを総称して、芸術競技と呼ばれていたのだそうです。
芸術競技は、近代オリンピックの創立者で、「近代オリンピックの父」とも呼ばれるクーベルタン男爵(ピエール・ド・クーベルタン)の希望により採用されたものと言われています。
近代オリンピックの理念として「肉体と精神の向上の場」が掲げられていることからも、うなずけるものだと言えるでしょう。
絵画のオリンピックのメダリスト
1936年に開催されたベルリンオリンピックでは、高島北海、野田九甫に師事し、新日本画研究会や新美術人協会を結成し、佐賀大学講師も務めた日本画家の藤田隆治が、絵画種目(絵画部門)で、銅メダルを受けています。作品名は、「氷上ホッケー(アイスホッケー)」とのことです。
また、同じベルリンオリンピックで、野田九甫に師事し、日本画家1920年第2回帝展に「吟鳥」を入選させた日本画家の鈴木朱雀が、絵画種目(デッサン・素描部門)で、作品名「古典的競馬」により銅メダルを受賞しています。
しかし、芸術競技は判定を客観的に行うことが難しく、これにより採点が恣意的なものとの疑いや批判が生じたため、1948年開催のロンドンオリンピックを最後に、オリンピックの正式競技から外れされています。
その後、1952年開催の第15回ヘルシンキ大会からは、競技の扱いではなく、文化プログラムとしての芸術展示が行われています。